理系の大学院生として就活をしていた際、話していて「このような大人になりたい」と感じたのが製造業の営業職の方ばかりでした。それで企業選びをした結果、プラスエンジニアリングに出会いました。

入社後は、理系卒だったので学んだ技術の知識が役に立ち、文系卒の営業の先輩方には無い強みも活かす営業ができました。それがきっかけとなり徳島の営業所の立ち上げを任され、一人経営者のような働き方をし、20代半ばで営業から経営管理まで含めて経験させて頂きました。また、私の受注する仕事は利益率が高かったことから、どうやったら利益率の高い仕事をとれるかを社長らに詳しくヒアリングされ、その結果仙台事業所の工場に営業部署を作る仕事を任されたりもしました。その部署の部長になり、会社の利益率も上がり、社員の基本給もアップすることもできました。そんな経緯があり、部長になって8年目に営業の統括部長となったことで、会社の経営に関わるようになりました。今では全社の採算管理を担っています。

もともと出世意欲があるわけではないのですが、人生で二人ほど特に自分がお世話になった人から共通して、「先生が向いているのでは？」と言われたことがあります。人に説明したり教えるのがうまくやりがいを感じていそう、と言われるので、そんなところがマネジメントにも向いているのかもしれません。あとは社風として自由にやらせてもらえるところも、よく「環境に染まらない」と言われる自分の特徴が活きて良かったですね。

プラスエンジニアリングは、オーダーメイドの精密部品を製造する会社で、いわば下町ロケットの「佃製作所」のような会社です。経営理念は大きく三つあり、「産業のインフラになる」「お客様の技術開発の一翼を担う」「精密機械加工部品の分業を推進する」というものです。当社で扱う精密部品とは、お客様で設計はできても作れなかったり、作れても大きなコストがかかるものです。そこで「餅は餅屋」とも言いますが、精密部品はプラスエンジニアリングにお任せ頂くとでお客様のビジネスがさらに発展するように、インフラや分業という言葉を理念に掲げています。

当社の展望としては、「製品試作」の段階から関わらせて頂くこと、そして事業を拡大することに注力しています。特に事業の拡大は、私が仙台の事業所で利益率の改善をしてきたことで、ようやく事業拡大により利益も増える状況が作れたことが背景にあります。

加えて、業界の課題として、様々な同業者が後継者不足になっています。この業界の会社の多くは、技術を持った職人さんが創業し、高度経済成長に支えられ中小企業ながら利益を生んできました。しかし現在は、海外諸国の企業と機会を争うようになり、本当に子どもに継いで大丈夫か、と。そんな中我々は商社として創業した成り立ちがあるため、変化する顧客にニーズに対応できる他の小さい企業さんを発掘しマッチングしていく、という発想も持っています。その意味でも「産業のインフラ」になれると良いと思います。

「成功事例を捨てる」ということかと思います。ビジネス本を読んだりもするけれど、5年経ったらセオリーも変わってくるし、今ある仕事は20年で6割変わるともいわれています。そうすると、成功事例はすぐに役に立たなくなりますよね。
なので、今回VFJさんを通じて募集したい若手の方も「空気を読まない人」がいいと思っています。仕事の仕方は時代の変化に合わせてどんどん変えていかなければならないですし、お客さんも代替わりが進んでいきます。そこで「何でこんなことをやらなければいけないのですか！？」というようなことを言ってくれる人だと嬉しいですね。

営業も製造も、「生産性の向上」が大きなテーマとなっています。製造のほうは、特注部品とはいえ製造プロセスをできるだけ自動化したいです。機械は進化しているので、うちの中の制度やルールをいかに変えていくか、という点がポイントです。営業の方も、よりスピード感をもってお客様に対応するために、営業支援システム（Salesforce）を入れることが先日決まりました。特注部品の営業は現在非常に俗人的なのですが、要素を分解していけば一般の営業の論理に則って、組織として動くことができると私は思っています。なので、システムに合わせながら仕事のプロセスを標準化し、効率を上げていく、という仕事をお任せしたいです。

数字も見ながら人も動かす、という難しい部分があると思いますが、経営資本やスキルがある社員を持つ我々のような古い会社のほうが、新しいことは成功しやすいのではないかとも思います。創業されたベンチャーがぶち当たるであろう壁が、今当社にはあるんだと思います。

最後になりますが、いろんな職種がある中で、この業界に足を踏み入れるチャンスは一生に一度なのではないかと思います。信じられないほどマイナーで閉鎖的な業界ですので、だからこそビジネスチャンスも大きいです。ぜひその一生に一度のチャンスを掴んでもらえたらなと思います。