自分のキャリアは自ら切り開く
VFJでの日々が教えてくれたこと

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岩本華奈

卒業フェロー(VFJ→在籍継続)

「地方の中小企業の最前線で働きたい」とVFJに飛び込んだ二期生の岩本華奈氏。宮城県気仙沼で道路整備や土木建設業を営む株式会社菅原工業に入社し、人事部の立ち上げを任された。2020年の5月に入社し、現在も引き続き菅原工業で活躍する岩本氏はどんなキャリアを築いているのだろうか。

初めての人事部新設は前途多難

VFJでの2年間で、岩本さんが挑戦したことを教えてください。

菅原工業に入社後、人材採用強化のために社内では初となる人事部を立ち上げて、インターンシップの受け入れや学生向けの採用説明会などの責任者を担ってきました。
ただ、新設された部署ですし、今まで存在しなかったポジションだったこともあり、社内のコミュニケーションがうまく取れず、1年半以上人間関係で悩む時期を過ごしたんです。

VFJの2年間のほとんどが苦しい状態だった。

そうなんです(笑)。「2年間は何があってもやりきろう」と覚悟を決めていたものの、正直もう無理かもと思う瞬間は何度もあって…。

それでも頑張れたのは、VFJによる月1回のメンタリングや半年ごとの研修、そしてVFJの同期と気仙沼でキャリアを築いている地域の人、社長の存在があったからです。

社内外のいろんな人たちからいろんなことを学べて、本当にありがたかったです。

コミュニケーション問題を突破するきっかけは何だったのでしょうか。

VFJの同期からもらった「会社の相関図を書いてみたらどうか」というアドバイスです。どんな特性を持つ人がいて、社内での関係性はどうなのかを俯瞰して見られるようになれば、コミュニケーションの取り方が変わるのではないか、と。

そこで早速実践した結果、社内の一人ひとりをちゃんと知ることになり、少しずつ人間関係の悩みやコミュニケーションの取り方における悩みが解消していきました。

同じ頃、他にも状況を変えるきっかけとなる出来事が2つありました。1つは、社長から「助成金や就業規則を含めた労務の仕事もやってみないか」と言われたこと。

当時は「人材育成をやりたい」と思っていたので労務の仕事にピンとこなかったのですが、VFJのサポーターから「挑戦してみたら?」と背中を押されて挑戦したところ、意外にも労務は私のスキルや能力を生かせる仕事だったんです。

初めて、会社に貢献できるかもしれないという実感を得たことで、自分に自信が持てるようになりました。

2つ目は、2年目の中間研修で、先輩起業家セッションに登壇された非営利株式会社eumo代表の新井さんに壁打ちをしたこと。結果、ずっと抱えていたモヤモヤが晴れました。

先輩起業家セッションで、モヤモヤが晴れる

先輩起業家セッションで、どんなモヤモヤを解消できたのでしょうか?

当時、社長から「稼げる人事部であってほしい」と言われていたのですが、私には人事部が稼ぐとはどういうことなのか、その意味が全くわからなかったんです。だから、新井さんに直接問いをぶつけてみました。

そこで考えることになったのが、お金を稼ぐという行為は何かということでした。

それまで私は、お金を稼ぐ=利益を追求することと捉えていたのですが、自分たちが提供するサービスの対価としていただくのがお金であり、お金を支払ってまでそのサービスを使いたいと思う背景には、自分たちへの期待があることに気づいたんですね。

このとき「稼ぐ」とは何かがすっと腹落ちしました。社長は、人事部も利益を追求して稼げと言いたかったのではなく、地域に必要とされる事業やチーム、人になってほしいと考えていたわけです。

これをきっかけに考え方や価値観をアップデートでき、それが仕事のモチベーションにもつながりました。

起業家からのアドバイスによって、見方が変わったのですね。

そうです。VFJの2年間を過ごして本当に良かったと思うのは、起業家セッションを通じて自分の視点が変わるきっかけをたくさんもらったことでした。

自分の中で消化しきれないことも直接起業家に問うことで腹落ちすることばかりだったから、貴重な時間だったと思っています。

目の前の仕事に向き合い、大きく成長する

VFJの2年間を卒業後も、岩本さんは引き続き菅原工業で働いています。どういった心境の変化があったのでしょうか。

2年の区切りのタイミングで、新しいフィールドに行って挑戦することも考えたのですが、まだ菅原工業でできることがあると思ったんです。

これから成し遂げたいことは2つあります。1つは、自分の専門領域を確立して自分の武器を作ること。社会保険労務士の資格修得にもチャレンジして、世の中の動きをうまくキャッチしながらローカル企業の働き方をアップデートしていくこと。2つ目は、地域に必要とされるサービスを作ること。この春新しく、会社が立ち上がったので、より地域企業の人や働くことに対して付加価値の高いサービスを提供できるようになること。

菅原工業でこの2つの目標を追いかけたいと考えています。

その目標を達成するために、菅原工業で目の前の仕事と向き合い、責任を持って取り組みたいと考えたのですね。

そうです。新卒採用に関しては、1年目と2年目に高卒を1名ずつ採用し、3年目は念願の大卒を1名採用できました。インフラを支える現場は大変なことがたくさんあると思うけれど、それでも一生懸命に仕事をしている姿は本当に尊敬します。

ただ、人事部として入社までは関わりますが入社後の成長にはコミットできていないので、今後何らかのアクションを取りたいと考えています。

気仙沼の企業と学生が出会うイベントも定期開催ができており、学生の集客には課題がありますが、引き続き丁寧に運営していきたいと考えています。

実は、学生の参加人数が少なくて、中止した方がいいかなと思うこともありました。でも社長から「参加人数が1人や2人だったとしても、中止したらその学生たちはどんな気持ちになるのかな」と言われて、ハッとしたことがあったんですね。

目の前の一人と向き合えないなら、多くの学生を呼ぶイベントなんてできるはずがない。一人ひとりに向き合って満足度を高めていくことの大切さを痛感しました。

このイベントを通して、気仙沼地域の企業の人材課題にも貢献していきたいと思っています。昔は高校生を採用できていたけれど、人口が減少している今は採用の仕方も企業のあり方も変えていく必要があります。

自分たちの会社は10年後20年後にどうありたいのか、そのためには現在いる人たちがどう成長すべきかを考える必要があるし、さらに新しく加わる人たちが活躍できる仕事や事業をいかに作っていくかも考えないといけない。

イベントを通して自分たちを見つめ直すきっかけにできたらいいなと思いますし、人事は経営と密接につながった、究極の仕事だなとも実感しています。

VFJの2年間はしんどいこともあったけれど、このキャリアを選んで後悔はないし、振り返って価値のあるキャリアだったと胸を張って言えるよう、今はとにかく目の前のことに全力で向き合いたいと思っています。

自分のキャリアは自分で切り開く

VFJの2年間を経て、変わったなと実感することはありますか?

入社当時に比べると、スピード感は早くなったと思います。1年目は行動に移す前にいろいろと考えてしまい、動かないことも多くありました。しかし社長に「失敗することで課題が見つかる、だから、色々と考える前にまずやってみた方が良い。それを解決する方法を考えなさい」と言われて、失敗するということへの向き合い方・考え方が変わったんですね。まずはやってみるという初速が大事なことを学びました。

VFJの皆さんや社長、地域の人たちから、自分にできることもできないことも受け止めて、前に進んでいく大切さを教えてもらいました。みんなが私を諦めずに叱咤激励してくれたからだと思っています。

今後は、期待に応えられるような、仕事で成果を出せるプロフェッショナルな人材になれるよう、成長していきたいです。

これからVFJへのエントリーを検討する学生に向けてメッセージをお願いします。

就職活動では、いろんな人がいろんなアドバイスをくれると思います。最初は誰かの意見を借りるのもいいと思いますが、最終的な答えは自分と向き合わない限り導き出せないと思うんですね。

どの道を選んでも後悔することはあると思いますが、それでも自分と向き合って選んだ道ならば、壁にぶつかったときにどうやって乗り越えるかを前向きに考えられるはず。

私の場合、VFJは純粋にワクワクするキャリアだと思えたから、自分の直感を信じてこの道を選びました。だから、信じた直感が正解になるよう全力で取り組めているし、辛いことがあっても、自分と向き合って決めた道だから辞めたいとは思わなかったんです。

VFJは挑戦する価値のあるキャリアだと思うので、自分と向き合った結果、VFJで挑戦してみたいと思えたなら、私はOGとして全力で応援したいです。

entry/contact

2年後の自分は、
今日の挑戦で変わる。

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