取り組んでいるのは、地域課題の解決に向けたあらゆる事業。数多くの役割の中から、自分で成果を出せるだけの力を身に付ける

株式会社 小高ワーカーズベース

福島県

代表取締役
和田 智行

2023.03.01 UPDATE

step up研修あり

新規事業 × まちづくり

profile

企業・経営者プロフィール

  • 株式会社 小高ワーカーズベース

    原発事故により避難指示区域となった福島県南相馬市小高区(2016年7月解除)を拠点に、『地域の100の課題から100のビジネスを創出する』をミッションに掲げ、多様なローカルビジネスの創出を通じて、自立した地域社会の実現を目指しています。

    2014  2月 創業

    2014  5月 コワーキングスペース「小高ワーカーズベース」オープン

    201411月 株式会社小高ワーカーズベース設立

    201412月 食堂「おだかのひるごはん」オープン

    2015  8月 「HARIOランプワークファクトリー小高」設立

    2015  9月 仮設スーパー「東町エンガワ商店」オープン

    2016  3月 三菱商事復興支援財団との「産業復興・雇用創出支援」契約締結

    2016  6月  「HARIOランプワークファクトリー小高」工房兼ギャラリーショップオープン

    2017  6月 地域おこし協力隊制度を活用した起業家誘致「Next Commons Lab南相馬」事業開始

    201810月 キャリア形成支援および賑わい創出を目的とした施設「NARU」オープン

    2019  3月 ハンドメイドガラスブランド「iriser-イリゼ」リリース

    2019 3月 ゲストハウス併設型コワーキングスペース「小高パイオニアヴィレッジ」オープン

    2021 3月 「Next Action→ Social Academia プロジェクト」開始

    HPhttps://owb.jp/

     

    受賞歴:

    201512月 ふくしまベンチャーアワード2015「特別賞」

    2017  2月 復興庁『新しい東北』復興・創生顕彰 団体部門

    201712月 ふくしま産業賞「特別賞」

    2018  1月 地方再生大賞「北海道・東北ブロック賞」

    2022 2月 ソーシャルプロダクツアワード2022「ソーシャルプロダクツ賞」

    202212月 第8回ふくしま産業賞「福島民報社奨励賞」

  • 和田 智行さん

    1977年生まれ、南相馬市小高区(旧小高町)出身、在住。

    中央大学経済学部卒、グロービス経営大学院経営学修了。

    2005年、東京のITベンチャーの役員就任と同時に故郷の福島県南相馬市小高区にUターンし、2社の役員としてリモートワークで経営に参画。2011年、原発事故により家族とともに約6年間の避難生活を送る。2014年、居住が認められない避難指示区域にて創業し、初のコワーキングスペースを開設。その後、食堂や仮設スーパー、ガラスアクセサリー工房、ローカルベンチャー事業の誘致・支援など、住民ゼロからの事業創出に取り組む。2019年にはゲストハウス併設型コワーキングスペース「小高パイオニアヴィレッジ」を開設。2021年にはU-29世代を対象とした創業支援プログラムをスタートし、福島の課題解決や価値創造に取り組む次世代の育成にも取り組んでいる。

    プレゼン動画:https://www.youtube.com/watch?v=3_J6EgQ8r9M

     

    受賞歴:

    201611月 KIBOW年次大会2016 準優勝

    2021  7月 第17回グロービス アルムナイ・アワード「ソーシャル部門」

    2022 9月 ICC KYOTO 2022「ソーシャルグッド・カタパルト」優勝

step up研修あり

この求人では、実務と並行してVFJ独自の研修
プログラム「step up研修」に参加いただけます。
研修にて、経営知識の取得や起業家マインドの
醸成をバックアップします。

introduction

企業紹介

家業を継ぐはずが、自ら起業することに

実家が小高で織物業を営んでおり、長男だった私はその家業を継ぐようにと言われて育ちました。とはいえ、成長を考えるなら大学は東京へ出るべきだと上京。しかし、いざ卒業を控えたとき、いわゆる“就職氷河期”と呼ばれるタイミングだったんです。織物業では製造が海外へ流れており、実家も苦しい状況。すると今度は実家から、「家業は継がなくていいが、家は継ぎなさい」と言われたんですよ。つまりその時点で、仕事がないのに実家へ戻らなければいけなくなったわけです。もう、選択肢は起業しかありませんでした。

そこで、なるべく早く実力をつけようと考え、卒業後はITベンチャーへ就職。5年後に東京で起業しました。それからは、東京で事業に取り組みつつ、体だけは実家へ戻るという生活。社員とはリモートでやり取りしつつ、東京には月2回くらい訪れていました。
立ち上げたのはIT事業でしたが、正直に言ってしんどかったですね。競争が激しくて技術進歩が速い中、事業のチャンスを見つけていかなければいけません。たとえチャンスを見出してやってみても、大手から駆逐されてすぐに陳腐化してしまいます。私の中で、その事業を50~60歳まで取り組むイメージは持てませんでした。さらに2008年に起きたリーマン・ショックで業績が大きく落ち込み、以後、しばらくモヤモヤした気持ちでいたんです。

東日本大震災を受けて大きく変化した価値観

そんな中で起きたのが、東日本大震災。原発の危険から逃げようにもガソリンがなく、生きるのに十分な食べ物もない状況でした。私は起業して結婚し、子供もいて、収入もそこそこ得ています。しかし、いくらお金があっても使えないわけです。それまで価値があると思っていたものが、実はそんなに価値あるものではない。そんな、価値観の変化が起こった瞬間です。
それまで私は、収入という柱を大きくすれば人生が安定するのだと考えていました。しかし震災を受け、どれだけ大きな柱でも折れることが分かったんです。ですから今は、自分の人生を支える柱を、色々と持っておいた方が良いと思っています。

震災後は川越に避難し、東京へ通勤していました。小高には3ヵ月に1回くらい防護服を着て戻るんですが、「ここは本当に日本なのか?」と疑うようなゴーストタウン状態です。そんな生活を繰り返していると、むしろ東京がバーチャルに感じるんですよ。バーチャルな世界で消費し続けても仕方がない。そう考え、とりあえず福島県に戻ろうと会津若松に移り住みました。
自分の置かれた状況には課題が山積みで、しかしまったく解決に近づかない。でも、ビジネスチャンスを探すことの方が難しかったITベンチャー時代に比べれば、課題だらけであることは、むしろビジネスチャンスに溢れているということです。やがて自分自身の課題解決に遣り甲斐を感じるようになり、役員を務めていた会社を辞めて、小高ワーカーズベースを立ち上げました。

地域課題を解決する事業作り

小高には視察や研修などで色んな方が訪れますが、結局そこからは何も生まれません。たとえその場で心打たれても、帰ってしまえば終わりなんですよね。でもそれは、座って話したり、何かに取り組んだりするための物理的環境がないから当然のこと。ちょうど東京でコワーキングスペースが流行り始めたタイミングで、小高にも同じような環境がれば、何か始まるのではないかと考えました。それが、ワーカーズベースです。
少しずつ色んな方が立ち寄るようになり、やがて街の入り口のような存在になりました。小高に関わるキッカケが作れたことは、素直に嬉しかったですね。しかし、まだ何かプロジェクトなどが生まれたわけではありません。課題解決に対しては、もっと具体的なアプローチが必要でした。

そこで、まず取り組んだのが食堂。小高を訪れてもご飯すら食べる場所がないのだから、食堂を作れば良いと考えたんです。当時、居住者は少なくても、日中には工事関係者の方などがいます。特に50~60代の単身者が多く、温かい家庭料理は喜ばれると思いました。結果、事業は黒字。物件を貸してくださっていた方が戻るまで1年半の営業でしたが、役割は果たせたと思っています。
その他にも仮設スーパーを立ち上げたり、ガラス工房を運営したり。特にガラス工房は、女性にとって魅力的な仕事を作ることが目的でした。避難先から戻るか否かの判断は、女性が握っていることの方が多かったので。魅力的な仕事があれば、きっと戻ってきてくれると考えたんです。

こうして地域課題を捉え、それを解決する事業を打ち出していくことが当社の役目です。現在は人が戻ってきているので、そうした方々が「帰ってきて良かった」と思える事業に取り組みたいと思っています。これまでは生活インフラに近い部分が多かったですが、今後は生活に彩りを与えたり、ここでしか出来ないことに取り組んだり、生活を豊かにできる事業が求められます。
何もないからこそ、新たにシステムが作れる。リソースがないから、必要なものだけに取り組める。だからこそ小高は、洗練された町になれるのではないでしょうか。

どんなに大変でも、諦めなければ失敗にならない

もちろん、事業がすべて上手く運んだわけではありません。例えばガラス工房は主婦が職人となって製品を作りますが、技術が身に付かなければ収入になりません。成果報酬なので、たとえ1~2時間でも稼げる反面、最初の1~2年は時給300~400円程にしかならないんです。すると、たとえ本人が理解していても、旦那さんから理解が得られないなど続けられなくなってしまいます。頑張れば稼げるようになることは分かっているんですが、それをどう伝えるかは大変でした。今では人手が足りないほどの状況なので、やめなくて良かったです。

また、食堂の立ち上げも試行錯誤の連続でした。地元のお母さん方に普通の家庭料理を作ってほしかったんですが、「自分の料理でお金を取るなんて」という声がたくさん。たとえ説得できても、今度は「こんなにお金のもらえる料理じゃない」と、価格設定も難航しました。これは、もう根気強くやるしかなかったですね。

どんなことも、途中でやめたら失敗に終わります。でも続けていけば、それは失敗になりません。私はこれまでどれだけ大変でも、途中で諦めたことはないんですよ。これは、起業・経営においてとても重要なことではないでしょうか。自分が「やりたい」と思って始めたものを、信じて続けられるのは自分だけですから。よく地域あるいは避難者のためにと言われますが、実際のところ、すべては自分のためにやっていることなんです。自分と身近にある小さなコミュニティを喜ばせられなければ、地域を喜ばせることなんてできませんよ。

ローカルな地域では都市部と比べて、圧倒的に色んな役割が求められます。それは、個人としても企業の一員としても同様です。例えば街の評議委員を任せられたり、行政の集会に参加したり。そういった中で、地域とのチャネルができていくんです。どんな役割をこなし、どうやって成長に繋げていくのか。そこに、大きなチャンスがあるのではないでしょうか。
ネットワークやチャネルの先には、地域のステークホルダーと呼べる方がたくさんいます。全員が社長のような状態で、みんな経営者目線を持っているし、とてもスピードが速いんです。さらに行政も近く、一緒に何かへ取り組む機会も少なくありません。きっと、普通なら得られない学びや経験で溢れているはずです。こういう場所だからこそ強い覚悟や色んな哲学を持っている方が多いので、そうした志に触れられるのも良い刺激になると思います。

当社でも来てくださる方には、多くの役割を期待しています。まずはプロジェクトを任せるので、責任を持って取り組んでください。失敗も成功も、すべてを糧としてやり切ってもらえたら。2年後には、1~2個のプロジェクトを一人で回せるような成長を遂げてほしいですね。
マネタイズや仕組みづくりなど、事業運営に必要なことはたくさんあります。しかしそれ以上に、まずは任された役割に責任を持って取り組むこと。もちろんある程度のサポートはしますが、大企業のように誰かがいつもフォローしてくれるような体制ではありません。噛り付いてでも、自らの力で成果を出せるような人になってほしいと思っています。

また、移住者であり起業家のコミュニティ「Next Commons Lab南相馬」という環境も提供します。起業家に囲まれて仕事・生活しながら、間近にたくさん起業していくプロセスが見られますよ。あるいはローカルで私が担っている役割も、興味があればバトンを渡します。地域とのハブ作りは存分にサポートしますので、安心してください。
100の課題があれば、100の事業で解決する。しかし事業はずっと持ち続けるのではなく、「やりたい」という方に渡していくのが当社のスタイルです。数多くの事業に関わりながら、自分自身の目指すべき方向性なども見えてくるのではないでしょうか。

requirements

募集要項

株式会社 小高ワーカーズベース

採用情報

職種名

創業支援事業の立上げ担当

仕事内容

弊社は、『地域の100の課題から100のビジネスを創出する』をミッションに掲げ、多様な事業の創出を通じた自立した地域社会の実現を目指し、原発事故の被災地に20以上の事業を生み出してきました。

この動きをさらに加速させるため、社内起業家育成および創業支援エコシステムづくりに取り組んでいきます。その仕組みづくりを担当しながら、自身も起業を目指す社内起業家を募集しております。
具体的な業務内容は以下の通りです。

 

  • 創業支援事業の立上げ、体系化、拡大(利用者のヒアリング、サービスや業務の体系化・改善、拡大に向けた広報・営業など)
  • 創業支援事業の実務(各企業の総務、広報、営業支援などの起業家向けバックオフィス業務)
  • 自身でも3-5年以内にグループ内での起業を目指します。多様な起業家と関わりながら、間接的、直接的に100の事業創出を担っていただきます。

 

※事業のフェーズに応じて、担当事業や担当業務は変更となる可能性がございます。面接時に改めて説明いたします。

就業場所

福島県南相馬市

必要な学歴

特になし

必要な経験

  • 小さなことでもよいので自らの成功体験が語れる
  • 正解のない問いに向き合ったことがある
  • Word、Excel、Power Pointの基本的な操作ができる

必要な資格

自動車免許
※自動車免許は、入社時までに必要

求める人物像

  • 当社のミッション・ビジョンに共感いただける方
  • 将来的な起業を志している方
  • 地方で生活したい方
  • 主体的に学び、行動し、自ら成長する意欲を持ち続けることができる方
  • 未経験な業務へのチャンレジに意欲的な方
  • 社内外問わず円滑なコミュニケーションを進めていける方
  • 多世代、異文化、異なる価値観を受容し、ともに価値創造に取り組む意欲のある方
  • 先行きが見通しにくい状況においても、自ら未来を切り開いていく意思のある方

雇用形態

正社員

雇用期間

無期雇用
※通常、VFJでは入社2年経過後、求職者が継続するかを意思決定可能となっておりますが、本求人は3年目以降も働いていただく前提となっております。

選考プロセス

書類選考→面接→採用

募集期間

2024年3月1日まで

就業時間

9:00~18:00

賃金

新卒180,000円、第二新卒190,000円〜
(※経験・能力等を考慮し決定いたします。)

求人数

2名

福利厚生・待遇・社内制度

  • 時間外労働 : 有り(月平均15時間程度)
  • 通勤手当 : 有り(実費)
  • マイカー通勤の可否 : 可
  • 社用車 : 無し
  • 諸手当・賞与 : 無し。ただし業績によっては支給する場合も有り
  • 昇給に関する事項 : 有り
  • 休日等 : □月 □火 □水 □木 □金 ■土 ■日 ■祝
    ※その他(夏期休暇3日、年末年始休暇7日程度)
  • 加入保険等 : 健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険
  • 試用期間 : 有り(3ヶ月)、労働条件は変更なし
  • 育児休業取得実績 : 有り
  • 看護休暇取得実績 : 無し
  • 定年制 : 無し
  • 定年後の勤務延長 : 有り
  • 定年後の再雇用 : 有り
  • その他 : 引っ越し費用補助金あり、移住支援金あり、住宅探しサポートあり

会社概要

設立年(西暦)

2014年

年商

9,000万円

社員数

役員1名、正社員9名、バートアルバイト7名

所在地

福島県南相馬市小高区本町1-87

電話番号

0244-26-4665

entry/contact

2年後の自分は、
今日の挑戦で変わる。

エントリーは、面談・ご相談からスタートします。
担当者がお話を伺いますので、お気軽にご連絡ください。